女性の多くが、閉経を迎えるころに経験する「更年期障害」と言われる症状。
「病気ではない」と分かってはいるものの、辛く、ストレスになってしまう方も少なくありません。
そんな更年期障害を乗り越えるためには、「症状と上手に付き合っていくこと」が大切です。
40代女性に多い更年期障害の症状にはどのようなものがあるのか、またその症状別の対策法や治療法はどういったものなのか、正しい知識を持つところから始めてみましょう。
更年期障害で起こりうる症状とは?
更年期障害に対策していくためには、まずは「これは更年期障害の症状である」ということに気付く必要があります。
そして、気付くためにはどんな症状があるのか、知っておくことも大切ですね。
体に現れる症状
・のぼせ
・ほてり
・動悸
・胸の痛み
・めまいやふらつき
・耳鳴り
・汗が増える
・体重の増減
・むくみ
・倦怠感
・頭痛
・冷え
・頻尿や尿漏れ
・抜け毛
・喉の渇き
更年期障害では、全身症状として体のいろいろな部分に、様々な症状が出てきてしまいます。
症状の出方には個人差がありますが、特にのぼせ、ほてりなどは経験する方が多いですね。
また、太ってしまったり、頭髪が薄くなってしまったりといった、女性にとって気になる美容面に影響する症状も出てきてしまうのが困ったところです。
精神的な症状
・イライラ
・不安
・意欲の低下
特に更年期障害で辛いのは、体だけでなく、心にも様々な症状が出てきてしまうという点です。
無性にイライラしたり、不安な気持ちになってしまったりといった精神面での問題が起こってきた場合には、更年期障害が起こってきている可能性が高いと言えますね。
その他の症状
・腰痛
・肩こり
・手足のしびれ
・不正出血
・吐き気
・食欲不振
これらの症状は個人差が大きいものですが、中には更年期障害のために、ひどい腰痛や肩こり、食欲の低下などに悩まされる方もいます。
放っておけば健康面でも影響が出てきかねない症状なので、しっかり対処していきたいですね。
40代の女性に起こりやすい5個の症状と対策
更年期障害で起こりうる症状は多岐にわたりますが、中でも40代の女性に多い症状が、以下の5つです。
体の冷え
女性は男性に比べると筋肉量が少ないため、ただでさえ冷えやすいことで知られています。
ですが、40代ごろになって更年期障害が起こってくると、この症状がさらに悪化しやすいことが分かっているのです。
更年期障害が起こってくると、女性ホルモンが減少し、自律神経の乱れが起こりやすくなります。
その結果、体温調整がうまくいかなくなり、体が冷えやすくなるというわけです。
できるだけ体を温める服装を心がけ、温まる食事をしたり、温かいお風呂に毎日浸かるなどして、冷やさない工夫をしていきましょう。
のぼせやほてり
40代ごろの更年期障害で、冷えと共に起こりやすいのが「のぼせ」「ほてり」といった症状です。
体は冷えているのに、顔がカーッと熱くなったりする症状ですね。
これはホットフラッシュと呼ばれており、体の冷えとも深く関係しています。
体が芯から冷えてしまうと、血行が悪くなり、このような症状が起こってくるのです。
この症状についても、やはり冷えの対策と同じく、体を温めたり、適度な運動をしたりといった対策が効果的です。
倦怠感
まだまだ働き盛りの40代なのに、体が妙にだるく感じてしまう倦怠感。
これも、更年期障害で起こりやすい症状の1つですね。
倦怠感が起こるのは、更年期障害に起こる「自律神経の乱れ」が主な原因です。
自律神経が乱れることで代謝が低下し、エネルギーが生み出されにくくなってしまいます。
その結果、倦怠感が起こり、1日中ぼーっとしてしまったり、寝ても寝ても眠いという症状が起こってきたりしてしまいます。
この症状に対策するためには、できるだけ規則正しい生活リズムを心がけることが大切です。
朝日を浴びて起き、きちんと1日3食食べて、適度に体を動かし、夜は早めに寝ること。
こうして自律神経のバランスを整えながら、同時に無理せず、十分に休息を取りながら、体と心を労わりましょう。
イライラ
女性は生理前などにイライラすることが多いですが、実は更年期障害でも、そんな「イライラ」が起こりやすくなります。
これは、ホルモンバランスの乱れが主な原因ですね。
女性ホルモンの一種、エストロゲンには精神を安定させる作用がありますが、更年期には、このエストロゲンの分泌量が減少してしまいます。
そのため、イライラしたり、つい怒りっぽくなってしまったりするのです。
イライラや怒りは、アロマテラピーを利用したり、湯船にゆっくり浸かってリラックスしたり、といった方法で落ち着かせてみましょう。
また、食事も大切です。
カルシウムなどが不足すると、イライラしやすくなるので、意識的に摂取するようにしてみてください。
不安や落ち込み
40代からの更年期障害では、イライラ以外にも、不安や落ち込みといった精神的な問題が起こってくることもあります。
これについても、エストロゲンの減少が原因で、感情がうまくコントロールできなくなるためと考えられます。
こういった精神状態になってしまった時には、無理に「頑張ろう」とはせずに、まずは生活のペースダウンをしてみましょう。
それから、適度な運動や半身浴などで代謝を促進すると同時に、ストレスを解消してみてください。
更年期障害の治療法
更年期障害は、症状別に気を付けて対策していくことで、ある程度は改善できることもあります。
ですが、自分の力だけではどうにもならない、ひどい症状に悩まされる方もいるのです。
そして、そんな辛い症状で悩んでいる場合には、病院で治療を受けることも可能です。
更年期障害に悩まされている場合、まず相談するのは、「婦人科」になります。
治療の方法には、主に3つの種類があります。
ホルモン補充療法
更年期に減少したエストロゲンを補充する治療法です。
のぼせ、ほてり、動悸、不眠などの症状に効果的で、さらにお肌がキレイになるなど、嬉しい効果も期待できます。
抗うつ薬・抗不安薬
更年期障害で不安が強くなってしまい、気分の落ち込みが激しい場合には、抗うつ薬や抗不安薬で治療を行うこともあります。
また、専門のカウンセラーによるカウンセリングを受けるという治療法もあります。
漢方薬
ホルモン補充療法ができない場合などに用いられる治療法です。
根本的な原因に働きかける漢方は、更年期障害の様々な症状に効果が期待できると言われています。
このように、更年期障害の治療方法には選択肢があります。
まずは自分の症状をよく理解したうえで、信頼できる専門医に相談し、自分に合った治療法を見つけていきましょう。
更年期障害の症状と対策~まとめ~
更年期障害は、女性なら誰でも起こる可能性のある症状です。
そして、どんな症状が出るか、どの程度の症状が出るかは個人差が大きいものです。
自分の更年期障害の症状をしっかり理解し、それぞれに合った対策を行い、それでも改善されない場合には、専門医の治療を検討してみましょう。