寒い季節になると、多くの感染症が猛威を振るいはじめますよね。
中でも、嘔吐や下痢など、辛い症状があることで知られているのがノロウイルスです。
近年では、新型ノロウイルスと言われるものも出てきており、不安に感じている方も多いのではないでしょうか?
そこで、そんな新型ノロウイルスを予防し、流行拡大を防ぐための方法を紹介していきます。
新型ノロウイルスとは?
感染症にはいろいろなタイプがあり、時には「新型」と呼ばれるものが大流行してしまうことがありますね。
ノロウイルスにも、新型ノロウイルスと呼ばれるタイプのものが度々出てきています。
例えば2006~2007年にノロウイルスが大流行した時には、GⅢ/4というタイプのうち、過去の流行では検出されたことがない2006bと言われるタイプのものでした。
また、2012年~2013年にかけても、ノロウイルスが大流行しています。
この大流行についても、GⅢ/4の変異株が流行したことが分かっています。
ノロウイルスの中でも、特にGⅢ/4は変異しやすいものであることが分かっており、数年おきに新型ノロウイルスが登場しています。
新型ノロウイルスが出てきた場合、免疫力を持たない人がほとんどなので、一気に感染が広がりやすいのが大きなデメリットです。
過去にノロウイルスに感染した経験がある方でも、新型ノロウイルスが流行すれば、罹患する可能性は決して低くはありません。
徹底的に予防して自分の身を守ると共に、流行拡大を防ぐ工夫をしていきましょう。
新型ノロウイルスの予防方法☆食品の加熱
新型ノロウイルスをはじめとする、ノロウイルスの感染経路には、2つのルートがあります。
1つは、多くの感染症にある「人から人へ」の感染です。
そしてもう1つは、ノロウイルスの特徴である「食品を介した」感染なのですね。
ノロウイルスは、汚染されたカキなどの2枚貝を、十分に加熱せずに食した場合に感染する可能性があります。
現在では、特にカキに関しては衛生管理が厳しくなり、食品を介した感染は起こりにくくなっていますが、絶対に感染しないとは限りません。
食べ物を介した感染を防ぐためには、食品を十分に加熱して食べることが大切です。
2枚貝を食べる時には、中心部を85~90度で90秒以上加熱すると、感染が防げると言われています。
新型ノロウイルスが流行する冬には、しっかり加熱したものを食べるように心がけましょう。
また、食品そのものを加熱するだけでなく、調理器具の衛生状態にも気を配ることが大切です。
例えばまな板や包丁にウイルスが付着していると、これが原因で感染してしまう恐れもあります。
調理前に熱湯消毒を行うことを習慣にして、感染を予防しましょう。
こうして食品の加熱や調理器具の熱湯消毒を心がけていくだけでも、流行拡大を防ぐ効果が期待できます。
「面倒」「生で食べたい」といった希望がある方もいらっしゃるかもしれませんが、新型ノロウイルスは、時として命に関わることもある感染症。
これを防ぐためにも、しっかり対策していきたいですね。
新型ノロウイルスの流行拡大対策☆患者のケア
新型ノロウイルスをはじめとするノロウイルスは、人から人にも感染してしまうのが大きな特徴です。
特に、家族が感染してしまった場合には、患者のケアには細心の注意を払う必要があります。
ノロウイルスに感染すると、激しい嘔吐や下痢を繰り返すような症状を経験する方が多いです。
そして、家族がその汚物を掃除する際に感染してしまうというケースも非常に多いのです。
ノロウイルスは吐物・便にも大量に含まれていますので、これらを処理する場合には、手袋やマスクを装着し、慎重に行うことが大切です。
汚れた衣類や下着などは熱湯で消毒し、また床や壁などの汚れた部分は塩素系漂白剤を薄めた液を使って、使い捨てのペーパータオルなどで拭き取りましょう。
それから、ドアノブやトイレの手すり、便座なども消毒しておいた方が安心です。
また、患者本人も、家族も、手洗いを徹底するようにしておきましょう。
これらの対策をしっかり行うことで、家族間での流行拡大を防ぐことができます。
特に子供が新型ノロウイルスになってしまった場合、親御さんとしては、つい我を忘れて看病してしまいがちですが、自分自身や他の家族を守るためにも、しっかり対策していきましょう。
新型ノロウイルスの予防について~まとめ~
新型ノロウイルスは、食品の加熱や手洗い、患者のケアの際に注意することで、流行拡大を防ぐことが可能です。
「人から人へ」と、「食べ物を介した感染」という2つのルートがあることを意識し、正しく対策していきましょう。