5月5日の子供の日に向けて、男の子がいる家庭では、鯉のぼりを上げるところも多いですよね。
大きなまごい、小さなひごいが空を泳ぐのと一緒に、必ずと言って良いほど1番上で泳いでいるのが、「吹き流し」と言われるものです。
この吹き流し、鯉とは似ても似つかない形をしているのに、なぜ鯉のぼりと共に子供の日に上げられるのか、疑問に感じたことがある方も多いのではないでしょうか?
実は鯉のぼりの吹き流しには、深い意味が込められているのです。
そこで、そんな吹き流しについて、誰かに話したくなる豆知識を紹介していきましょう。
鯉のぼりの吹き流しの意味は魔除け
鯉のぼりの吹き流しには、「魔除け」という意味があります。
そもそも鯉のぼりというのは、黒いまごいがお父さん、赤いひごいがお母さん、小さな鯉が子供たちを意味しています。
そして、吹き流しには、この「子供たち」が無事に成長するようにという願いが込められているのです。
ちなみに、鯉のぼりには矢車も付いていますが、これにも同じように「魔除け」の意味が込められています。
ではなぜ、鯉のぼりにこのような「魔除け」が付けられるようになったのかというと、これは、今ほど医療が発達していなかった時代には、乳幼児の死亡率も高かったためですね。
疫病、栄養失調などで死亡してしまう子供も多く、また災害などによって、幼いころに命を落としてしまう子供もいました。
そんな時代に、「子供たちを疫病や災害から守りたい」「健康に育ってほしい」という願いが込められたのが、鯉のぼりの吹き流しや矢車なのです。
また、鯉のぼりの吹き流しは「家」を意味しているとも言われています。
鯉がお父さん・お母さん・子供たちという家族を表しているなら、それを守るのが「家」。
つまり、吹き流しは、「家族を守りたい」という願いが込められた、深い意味を持つものなのですね。
鯉のぼりの吹き流し☆色の意味は?
鯉のぼりの吹き流しは、5色の布でできています。
この色は、青(緑)・赤・黄色・白・黒(紫)となっています。
実は吹き流しは、この5色にも深い意味が込められています。
この色は、古代中国の「五行説」に由来していると考えられているのです。
五行説では、万物は木・火・土・金・水の5つの要素からできていると考えられています。
そして、吹き流しの5色は、この5つの要素を表現しているのです。
・青(緑)・・・木(若い・新しい)
・赤・・・火(成長を促す)
・黄色・・・土(希望・幸せ)
・白・・・金(純粋・無垢)
・黒・・・水(絶対的な存在)
そして、鯉のぼりの吹き流しは、この5色を使うことで、「5つの要素が邪気を祓ってくれる」と考えられてきました。
吹き流しは、実はその色の1つ1つにまで、願いが込められたものだったのですね。
鯉のぼりや吹き流しの由来は?
鯉のぼりや吹き流しには、それぞれに子供を想う親の願いが込められているわけですが、そもそもなぜ、このような願いが「鯉のぼり」という形になったのか不思議ですよね。
実は鯉のぼりの由来は、江戸時代に用いられていた「幟」からきています。
江戸時代には、男の子が生まれたことを祝う行事として端午の節句が行われており、この行事で家紋入りの「旗指物」という幟が使われていました。
ですが、これは武士のみに許されたものであり、庶民には家紋入りの旗指物は使えませんでした。
そこで、庶民の間に広がった端午の節句の行事では、成功・勇気・健康の象徴とされていた「鯉」の幟が飾られるようになったのです。
「鯉は龍門の滝を登り、天に昇る出世魚」とも考えられており、とても縁起が良いものとされてきたのですね。
鯉のぼりの吹き流しについて~まとめ~
現在では、あまり意味を知られていない「鯉のぼりの吹き流し」。
ですが、実はそこには、子供を想う親の強い願いが込められていたのですね。
「子供の健やかな成長を願う気持ちは、いつの時代も変わらない」ということが、そんな鯉のぼりや吹き流しに込められた意味から伝わってきますね。