モラハラ上司の共通の弱点とは?

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職場で上司から受ける言動に悩むことは決して珍しいことではありません。

言動の激しさによっては、「もっと仕事を頑張れないのか」「それくらいできないのか」「君は何をやっているんだ」といった厳しい叱責や、人格を攻撃するような否定的な発言が繰り返される場合、それはモラハラの可能性が考えられます。

最近では、「労働施策総合推進法(通称パワハラ防止法)」により、全ての企業においてパワハラ防止の措置が義務化されるなど、ハラスメントは企業において真剣に取り組まれるべき問題となっています。

この記事では、上司からのモラハラに対処するために、モラハラの定義や指導との違い、そして違法性を感じた場合の対処法について詳しく説明します。

また、以前に違法性が確認されたハラスメントの具体的な事例も紹介しますので、これを参考にしてください。

「モラハラ」の定義とは?

「モラハラ」は正式には「モラル・ハラスメント」を指し、厚生労働省が提供するメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」では、言葉や態度、身振り、文書などを通じて、働く人の人格や尊厳を傷つけ、肉体的・精神的な害を与え、その結果、被害者が職場を離れざるを得ない状況に追い込まれ、職場の雰囲気を悪化させる行為として定義されています。

労働現場で発生するモラハラは、職場環境を悪化させる行為に該当し、上司や部下などの関係性を利用して行われる精神的な攻撃が主なケースです。モラハラが原因でうつ病などのメンタルヘルス不調に陥ることもあります。

被害者はしばしば「原因は自分にある」と感じがちですが、実際にはモラハラの問題は「する側」にあります。したがって、モラハラが発生した場合、当事者だけでなく周囲の人が協力して解決に向け働きかけることや、必要であれば弁護士や専門家に相談することが重要です。

【参考元】
厚生労働省委託事業 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」|用語解説「モラルハラスメント」

モラハラ上司の言動事例|モラハラと指導の違いをチェック

上司の言動が厳しいと感じても、それが業務上の指示や指導であれば、モラハラには当たりません。

指導と判断されるケース:
上司が従業員を叱責し、業務の進行状況を定期的に確認するようになるなど、業務遂行や成長に関連する指導は、「指導」と判断されます。たとえ叱責が厳しくても、それが業務に対するフォローや合理的な理由に基づくものであれば、指導とみなされることがあります。

モラハラと判断されるケース:
上司が個人的な感情を表に出し、仕事との関連性が希薄な指示や私的な用件を手伝わせるような場合、それは「モラハラ」と判断される可能性が高いです。例えば、期限が迫っている案件を理不尽に押しつけたり、業務上のミスに対して他の社員の前で全否定するなどが挙げられます。

モラハラは感情的な言動や仕事との無関係な行為が中心であり、適正なフォローが行われていないことが特徴です。ただし、業務に関連性がある場合でも、酷い暴言が続く場合にはモラハラとされることもあります。

モラハラが疑われる場合は、周囲に同じ経験をした人がいないか確認し、必要に応じて弁護士に相談するなど、問題解決に取り組むことが重要です。

モラハラ上司を訴えたい!モラハラの違法性ともしものときの訴え方

極めて悪質なモラハラが存在する場合、法的な手段を検討することが重要です。モラハラ上司に対する法的措置には、主に民事訴訟と刑事告訴の2つの選択肢があります。以下は、その手続きの流れと、刑事告訴の際の罪名と具体的な言動事例の一例です。

モラハラに対する法的措置の手順:

モラハラの証拠収集: 証拠を収集し、具体的な言動や行為を文書や録音などで保存します。

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相談先への連絡: 労働基準監督署や弁護士に相談し、アドバイスを得ます。

民事訴訟: 業務上のモラハラで精神的な苦痛を受けた場合、民事訴訟を起こし損害賠償を請求します。

刑事告訴: モラハラが極めて悪質であり、犯罪行為に該当する可能性がある場合、刑事告訴を検討します。

モラハラに該当する可能性のある罪名とその事例:

脅迫罪|刑法第222条: 次にミスしたら殴ると言うなどの激しい口調での脅迫。

強要罪|刑法第223条: 暴行を加えて土下座させるなどの強要行為。

侮辱罪|刑法第231条: 他の社員の前で無能だとの言葉を浴びせるなどの暴言。

名誉毀損罪|刑法第230条: セクハラや横領などの誹謗中傷をする発言。

ただし、モラハラを犯罪として成立させるには一定の要件があり、正しい手順を踏んでもハードルは高いことを理解しておく必要があります。

裁判で上司(会社)の指導・指示がハラスメントにあたると認められた事例

過去の裁判例からも、上司の行為が違法であると判断される場合があることが分かります。

東芝府中工場事件では、裁判所が従業員への指導・監督の権限を逸脱した上司の行為を問題視しました。例えば、休暇を取る際の軽微なミスに対して執拗な反省書の要求や後片付けの再現を求めるなど、合理性を欠く指導は違法と判断されたようです。

このような裁判例は、上司の裁量権を濫用する行為や合理性を欠く行動に違法性がある場合を示しています。職場における上司の行動には、違法性があるケースもあることを理解しておくことが大切です。

モラハラ上司に効果あり!加害者の弱点をついた6つの対処法

上司からのモラハラに苦しんでいる場合、以下の対処法を検討してみることが重要です。

1. 冷静に対応する
モラハラ上司は優越感に浸り、攻撃性を強めることがあります。冷静な態度を保ち、言動に動じないよう心がけましょう。相手の目を見ながら冷静に対応することで、相手が優越感を感じにくくなります。

2. 正当な理由で拒否する
モラハラ上司が理不尽な命令を出す場合、法的に違法な命令や労働関連法に違反するもの、個人的な自由や人権を侵害するものには拒否の態度を示しましょう。自身の権利を守るために、適法でない命令には従わないことが重要です。

3. 味方をつける
モラハラ上司は通常、特定のターゲットに攻撃的な態度を取ります。味方をつけて協力し、モラハラ上司の攻撃を和らげることができます。立場の強い人を味方につけると、効果が期待できます。

4. 証拠を収集する
モラハラの事実や状況を証拠として集めることが重要です。録音、メールやLINEの履歴、具体的な出来事や日時の詳細な記録など、できるだけ多くの証拠を用意しましょう。これにより、自身の主張が裏付けられ、法的措置をとる際に有利になります。

5. 社内外の通報窓口へ相談する
社内には通報窓口があり、コンプライアンス部門や人事部門などが挙げられます。社内での相談が難しい場合は、外部の相談先として労働局、労働基準監督署、弁護士事務所などを検討しましょう。また、社内外の通報窓口に相談することで、問題解決への一助となる可能性があります。

6. 法的措置を検討する
最終手段として、法的措置を検討することがあります。弁護士に相談し、モラハラ行為の違法性や具体的な法的手段を確認することが重要です。適切な法的手続きを踏んで、自身を守るための措置をとることができます。

注意事項
個別の状況により最適な対処法は異なります。自身の状況をよく理解し、効果的な対処法を検討しましょう。
必要であれば、弁護士やカウンセリングなど専門家の助言を受けることが重要です。
法的手続きを検討する際には、注意深く進める必要があります。弁護士のアドバイスを仰ぐことで、スムーズかつ適切な手続きが可能です。

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